アパート経営の教科書

アパートローンの借換とその効果

すでにアパートローンを組んでいる場合でも「借換」によりより金利の安いローンに乗り換えることが可能です。ここでは、既存のアパートローンから別のアパートローンに借換をする場合のポイントやどういった場合であれば借換したほうがお得で、どういう場合が損なのかについても分かりやすく説明していきます。

アパート経営の教科書

借換とは何か?

借換とは、住宅ローンやアパートローンなどの「ローン」をより有利な契約に乗り換えるというものです。
例えば5年前に契約したローンが変動金利:6.5%であったとします。そして、今別の銀行でアパートローンを組めば、同じ変動金利で3.5%でローンが組めるとします。

この場合、後者のアパートローンに乗り換え(借換)したほうが、金利負担が小さくなりかなりお得になりますよね。この時に古い住宅ローンから新しい住宅ローンに乗り換えることを「借換」といいます。
住宅ローンの借換については「住宅ローンと借換」などが詳しいのでそちらを参考にしてください。

借換の具体的な流れは以下の通りです。

  1. 新ローンの提供銀行(金融機関)に借換を打診
  2. OKならアパートローン契約をする。
  3. 新ローンから資金が貰えるのでその資金で旧ローンを一括返済
  4. 抵当権などの切り替え
  5. おしまい

 

アパートローン借換の有利・不利

アパートローンの借換によって効果を発揮する条件があります。それは、「借換前後の金利差」「残債の金額」「残りの返済期間」の三つです。特に、金利差については○%と×%というように数字になっているので分かりやすいのですが、金利差の大小だけでなく、「残債の金額」「残りの返済期間」の二つも非常に重要です。

  1. 借換前後の金利差
    これは分かりやすいですね。現契約と、新契約との間の金利差が大きいほど借換にとって有利になります。一般には1%以上の金利差があれば、有効といわれていますが、(2)、(3)の条件によってはもっと小さくても効果が出る場合もありますし、逆に1%程度では損になるケースもあります。

  2. 残債の金額
    残りのアパートローンの残債金額です。残債とは残りの借金という意味になります。借換を行う際にはこの残債が大きいほど効果があります。逆に残債が数百万円という場合には借換をする方がコストがかかることもあります。

  3. 残りの返済期間
    アパートローンの借換によって金利を節約した場合、節約した効果は残りの返済期間によって雪だるま式に大きくなっていきます。つまり、金利圧縮の経済効果は残りの返済期間が長くなるほど大きくなるといえるのです。逆に、残りの期間が5年とかいう場合には金利圧縮の効果が小さくなってしまいます。

 

借換をしたら得なケースと損なケース

ここからは実際に数字を挙げながら、アパートローンの借換がお得なのか、損なのかをシミュレーションしていきます。

一般にアパートローンの借換をする場合、借換の諸費用として残高の6%程度の費用がかかるといわれています。つまり、借換がお得か損なのかは、この6%を借換による金利圧縮効果で回収できるかどうかが重要になるわけです。
それを踏まえて以下の表をご覧下さい。以下はアパートローン借換による効果を節約した金利(横軸)、残りのローン期間(縦軸)で示したものです。

この数字が6を超えている場合には借換の効果があり、逆に6未満である場合は借換コストのほうが高く付くので、借換効果が無い(マイナス)ということになります。表では数字が大きいほど借換によるメリットが高いことを意味しています。

残期間|金利差
0.5%
1%
1.5%
2.0%
5年
1.32 2.64 3.95 5.25
10年
2.67 5.45 8.12 10.75
15年
4.28 8.47 12.57 16.57
20年
5.93 11.69 17.29 22.73

このように、残期間が長くなるほど、金利差が大きくなるほど、借換の効果が期待できるということになります。

 

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